アレルギー外来
Allergies
アレルギー外来
Allergies
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食物アレルギーによりある種の食材を含む物を食べられないということは、子どもの心身の成長に何らかの影響をおよぼすことになり得ます。ですので、お子さんに現れた皮疹などの症状が、食物アレルギーによるものなのか、食物アレルギーによるものだとしたら、その原因食物は何なのかを正確に診断する必要があります。診断法には血液検査や、皮膚スクラッチテストなどがありますが、これらが陽性と出たとしても、実際には食べられることが多々あります。
当院では食物アレルギーを正確に診断し、不要な食物除去を避けるため、卵、小麦、牛乳、ナッツ類などを少量から実際に食べてみて反応をみる経口負荷試験を行っています。血液検査や皮膚の検査結果から特定の食物を除去されている方はご相談下さい。当院では開院からの2年間ですでにのべ100人以上のお子さんに経口負荷試験を行っており、実際に血液検査や皮膚スクラッチテストが強陽性であっても除去が不要と判定された子が続出しています。
卵黄や卵白などを食べ始めるのが怖いという方も、当院の医師や看護師がみているところで食べ始めにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。このような場合にも経口負荷試験が役にたちますので、お気軽にご相談下さい。
アトピー性皮膚炎とは痒い湿疹が良くなったり、悪くなったりを繰り返す疾患です。治療の中心はステロイド軟膏を塗ることです。保護者の方には、副作用や止めた時のリバウンドのため、大切なお子さんにステロイド軟膏を使用することに難色を示される方がおられます。お気持ちはよく分かるのですが、国内外におけるアトピー性皮膚炎の標準的治療はやはりステロイド軟膏とされています。
ステロイド軟膏には何と言っても痒みを抑えることに長けています。アトピー性皮膚炎において痒みは日常生活の質を左右する最も強い因子です。子どものアトピー性皮膚炎の多くは治癒し、成人に持ち越すことはあまりないのですが、心身の発達・成長に重要な時期に、きちんと痒みをとってあげないと、これらに悪影響を及ぼすことにつながってしまいます。
ステロイド軟膏の比較的よくみられる副作用は皮膚の菲薄化と言われていますが、お子さんの皮膚の状態に合わせて、使用するステロイド軟膏の強さ、塗布の方法、塗布する期間、やめ方、保湿剤の併用などを的確に行うことにより、副作用やリバウンドをなくするか、起きても最小限に抑えることができます。
最近では血液検査でアトピー性皮膚炎の病状を的確に表す指標がわかってきており、皮疹のコントロール状況が数値で表されるようになってきています。このような数値を参考にしながら適切に治療し、さらには、お子さんの健全な成長をサポートしたいと考えています。
鼻アレルギーとも言い、子どもに多いのは、室内塵ダニに反応して起こる通年性アレルギー性鼻炎と、スギを主とした花粉に反応する季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)です。くしゃみ、水鼻、鼻づまりを呈しますが、咳嗽や黄色い鼻水を呈する場合は感染症の合併を疑います。アトピー性皮膚炎に続いて起こることがあり、また、気管支喘息の発症につながることもあります。
当院では、まず、血液検査や皮膚プリックテストなどにより診断を明確にしてから、治療に入ります。治療は主に内服薬と鼻噴霧薬による治療になりますが、花粉症の場合は花粉飛散時期前から内服薬を開始して鼻症状が出るのを予防することもできます。アレルギー性鼻炎の治療期間は長く、数年単位に及び、それでも治癒しない方も少なくはありません。ですので、内服薬や鼻噴霧薬では鼻症状のコントロールが難しい方や、治癒を望まれる方には、舌下錠を用いた免疫療法を行います。免疫療法は全身性のアレルギー反応を起こすことがあり、当院のような小児科クリニックで行うことが適切だと思います。ご気軽にご相談下さい。
気管支喘息はアレルギー性疾患の一つで、気道の慢性的な炎症が原因です。慢性的な炎症とは何かを一言で説明することは難しいのですが、慢性的な炎症のため、気道がアレルギー反応を起こしやすい状態になっており、気管支喘息の患者さんがダニやタバコの煙などのアレルギー誘発物質に暴露すると、気道が収縮(空気の通る道が細くなる)し、咳や喘鳴、ひどいと呼吸困難を引き起こします。
気管支喘息の多くは乳幼児期に発症しますが、呼吸機能の検査が難しく、喘鳴を繰り返しているか、吸入薬などによる治療に反応するか、といった症状から診断します。呼吸機能の検査ができるようになる小学生くらいからは、気道の慢性的な炎症の指標である呼気中一酸化窒素濃度(FeNO)の測定などにより診断します。FeNOは治療がうまくいっているかどうかの判定にも有用であるため、当院ではFeNO測定装置をご用意し、定期的に検査します。
気管支喘息の治療薬には、毎日使用する長期管理薬と、喘息発作時に使用する薬があります。長期管理薬には抗アレルギー薬とステロイド吸入薬を主に用いますが、ステロイド吸入薬の長期間、大量使用は軽い成長障害を起こしうることから、気管支喘息の重症度(4段階あります)をきちんと判断し、重症度に合わせて、使用する薬剤、投与量、投与期間をきちんと管理していく必要があります。喘息発作時には主に気管支拡張薬の飲み薬や吸入薬を用いて治療します。小さな発作を繰り返すことが多い患者さんには、ご自宅で吸入できるように致します。
気管支喘息の治療は長期に及びますが、生活の基準を知り、きちんと治療を行っていくことにより、ほとんどの子どもが治癒します。場合によっては、喘息日誌をつけたり、ご家庭で簡単な呼吸機能検査を行って頂く必要もあります。私たちは、気管支喘息の良好なコントロール、治癒を目指し、お子さんやご家族により良いサポートを提供できればと考えています。